以前さまざまな業界のSDGs活動内容について紹介させていただきましたが、今回は大手飲食店チェーンに特化した内容です。

それも私たち「へいわ」のメンバーがよく利用させていただいるお店ばかり。

そんな恣意的に選んだレストランが実践しているSDGs活動の事例を紹介していきます。

飲食店ならではの面白い取り組みもありますが、その姿勢や切り口は異なる業界の方にとっても参考になりますので、一度はご覧ください。

まずは代表的なSDGs活動をチェックしていきましょう。

目次
  1. 代表的な取り組み
    1. 食品ロス削減
    2. 脱プラ推進
    3. 子ども食堂支援
  2. ジョイフル
    1. フードバンク事業者への食材提供
    2. 子育てサポート企業としての実績に基づく「くるみん」の認定
    3. 「プラスチック製ストローの廃止」、「バイオマス材料を配合したテイクアウト用袋の導入」
  3. ロイヤルホスト
    1. mottECO(モッテコ)!!活用による食品ロス推進
    2. 全国392拠点の廃プラスチック回収とリサイクルによるCO2排出削減
    3. ガスコージェネレーション:ガス発電の排熱を給湯や冷暖房などで利用
  4. モスバーガー
    1. 「グリーンカーテン」設置による省エネ対応
    2. 温室効果ガス排出量を 5%以上抑えて作ったレタス
    3. バイオマスプラスチック「ライスレジンⓇ」製のテイクアウト用カトラリー(スプーン、フォーク)の活用
  5. リンガーハット
    1. ぎょうざの皮の端材を活用した自家製かりんとう製造や規格外品の特別価格販売
    2. 食育活動を通した食文化の継承を推進しており、オンラインで延べ280回、対面で延べ150回の食育教室を開催
    3. 工場で使用する電力を再生可能エネルギー由来のエコ電力へ切り替え
  6. 丸亀製麺
    1. 「茹で麺管理表」を活用することで食品ロス削減と「できたて」うどんを両立
    2. 茹で釜の自動制御による省エネルギーの取り組み
    3. AI需要予測による店舗業務の軽減
  7. ふく福【番外】
    1. 地産地消・安心安全の食材を使用
    2. 女性が活躍出来る職場作り
  8. まとめ

代表的な取り組み

食品ロス削減

食品ロスとは食べられるのにも関わらず、捨てられてしまう食品のことです。

飲食店チェーンにおける重要なテーマの一つといえます。

日本だけでも年間523万トン廃棄されています。(農林水産省の令和3年度推計値に基づく)

国民一人当たり毎日約114g(ざっくりご飯茶碗1杯分:約150g)捨てている計算です。

かなりの量ですが、年々改善しているのも事実。

飲食店や一人一人の取り組みが成果として表れています。

令和2年:522万トン、令和元年:570万トン、平成30年:600万トン、平成25年:2,797万トン

脱プラ推進

食器やストローなど「プラスチック製のものを脱プラへ」とした動きが進められています。

特に注目されている素材がバイオマスプラスチック。

原料に植物など再生可能な有機資源を活用したプラスチックのことです。

植物は成長の過程でCO2を吸収するため、バイオマスプラスチックが焼却処理(CO2排出)されたとしても、実質的なCO2排出量はプラスマイナスゼロとなります。

つまり、カーボンニュートラルに貢献できる取り組みです。

カーボンニュートラルについて詳しく知りたい方はこちらをそうぞ!

子ども食堂支援

飲食店ならではの取り組みです。

食材の提供はもちろん、こども食堂のために物件を借り、こども食堂そのものを運営している飲食店チェーンも!

地域貢献事業として様々な飲食店で導入されています。

次に個々の取り組みを紹介していきます。

ジョイフル

芸能人や人気アニメとのコラボレーションが見ていて楽しいジョイフル。

本社が大分県ということもあり、同じ九州ということで勝手に親近感が湧いております。

そんなジョイフルのSDGs活動は多岐にわたります。

チーズハンバーグを食べることが多いのですが、この日は朝訪問したので、エッグプレートを選びました!

フードバンク事業者への食材提供

フードバンク事業とは、まだ食べられるけれども様々な事情によって廃棄されてしまう食品を、食べ物で困窮している人や団体に無償で寄付する社会福祉活動です。

子育てサポート企業としての実績に基づく「くるみん」の認定

次世代育成支援対策推進法に基づき、一般事業主行動計画を策定した企業のうち、計画に定めた目標を達成し、一定の基準を満たした企業は、申請を行うことによって「子育てサポート企業」として、厚生労働大臣の認定(くるみん認定)を受けることができます。

引用元:厚生労働省

「プラスチック製ストローの廃止」、「バイオマス材料を配合したテイクアウト用袋の導入」

ここでのバイオマス材料は廃糖蜜(サトウキビから砂糖を取った後に残るもの)から作った植物性プラスチックのことです。

また、大学での講演活動も推進しており、『外食業界及び企業の現況について』や『ファミリーレストランにおける経営管理について』など様々なテーマで人材育成や地域貢献へ取り組まれています。

本業の経験値を異なる場所で活かす、勉強になる取り組み姿勢です。

ロイヤルホスト

高級感あるファミリーレストランとして有名なロイヤルホスト。

他のチェーン店と違い、特別な日に利用する人も多いのではないでしょうか。

ロイヤルホストでは以下の活動を推進しています。

ロイヤルホストでの一番のおすすめは朝食です!

mottECO(モッテコ)!!活用による食品ロス推進

「食べ残したものは自分の責任で持って帰る文化」の普及と啓発を図る取り組みです。

全国392拠点の廃プラスチック回収とリサイクルによるCO2排出削減

合計:8.7トンの廃プラスチックを回収。

リサイクルによるCO2削減効果は15トン(杉の木1,700本が1年間に吸収するCO2量に相当)と報告されています。

ガスコージェネレーション:ガス発電の排熱を給湯や冷暖房などで利用

省エネ活動の一環としてロイヤルホストにも導入されています。

さらにロイヤルホストは、店休日を設けている珍しい飲食店チェーンです。

24時間営業が当たり前の時代から時間短縮を推進し、ここ最近では店休日を拡大することで人材の確保・育成・環境の整備向上を目指すとされています。

飲食店チェーン業界の常識に囚われない手段を選択できる、稀有な企業といえます。

モスバーガー

野菜がたっぷり入っていて健康に良さそうなハンバーガー屋さん。

そんなイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。

店内には産地名の記載された黒板の設置など様々な工夫が施されているモスバーガーですが、SDGs活動もダブルモスチーズバーガーのごとくガッツリと取り組まれています。

この日は菜摘(ロースかつ)、オニポテ、モスチキンを堪能しました!

「グリーンカーテン」設置による省エネ対応

一部の店舗で実施している植物のカーテン。

強い日差しを避け温度を下げるだけでなく、CO2削減にも貢献されているとのこと。

グリーンカーテンコンテストというイベントも開催されており、楽しくSDGsに貢献できる取り組みです。

温室効果ガス排出量を 5%以上抑えて作ったレタス

素材の生産過程にまで温室効果ガス削減に配慮した飲食店はあまりありません。

野菜生産まで携わっているモスバーガーだからこそ実現できた取り組みといえます。

バイオマスプラスチック「ライスレジンⓇ」製のテイクアウト用カトラリー(スプーン、フォーク)の活用

バイオマスプラスチックの材料は、食用や肥料などに活用されなかった国産非食用米25%を有効活用。

廃棄される可能性があった食品を、無駄にしないよう徹底されています。

また、モスの森という名で社会活動を分かりやすく発信。

取り組み内容だけではなく、発信方法も参考になります。

リンガーハット

長崎ちゃんぽんで有名なリンガーハット。

期間限定かき入りちゃんぽん!

テイクアウト対応の冷凍自動販売機の導入など、新しい取り組みを実践しているだけあってSDGsに対しても積極的に行動されています。

ぎょうざの皮の端材を活用した自家製かりんとう製造や規格外品の特別価格販売

食品の廃棄を極力減らそうとするフードロス削減に貢献しています。

食育活動を通した食文化の継承を推進しており、オンラインで延べ280回、対面で延べ150回の食育教室を開催

私が日頃お世話になっている宮崎大塚店でも実施されていました。

食事の重要性や楽しさを伝える大切な活動だと考えます。

お世話になっている宮崎大塚店でも実施中!

工場で使用する電力を再生可能エネルギー由来のエコ電力へ切り替え

製造過程における脱炭素に貢献。

サステナブルな社会づくりに繋がる取り組みです。

ダイバーシティ推進のために、オンラインでの座談会(互いの意見や立場を理解し合う)やユニバーサルマナー講座なども実施。

SDGsの様々なゴールに向けた活動に取り組まれています。

丸亀製麺

讃岐うどんを全国各地で食べられるようにした、といっても過言ではない丸亀製麺。

静岡県在住時は頻繁にお世話になっていました。

そんな丸亀製麺は設備の改良やAI導入など、あらゆる手段でSDGsに貢献されています。

限定メニュー:まぜ釜玉!!

「茹で麺管理表」を活用することで食品ロス削減と「できたて」うどんを両立

うどんを茹でるタイミングと量を管理するツール。

1日の売上を入力するだけでその日の時間帯ごとの客数、うどんを茹でるタイミング・量が表示されるため、経験の浅いスタッフでも安定的に「できたての生きたうどん」を提供できるとされています。

茹で釜の自動制御による省エネルギーの取り組み

ヒーター出力およびさし湯量を最適な状態に自動制御することにより、電力使用量31.3%削減、水道使用量(さし湯量)47.6%削減を達成。

省エネ対象&経済産業大臣賞を受賞という類を見ない取り組みです。

AI需要予測による店舗業務の軽減

販売実績や営業カレンダー(祝日や「ハレの日」など)、販促キャンペーン、気象情報といったデータを基に、店舗別や日・時間帯別の客数や販売数量を予測するとされています。

茹で麺管理表ともリンクしてそうな施策です。

さらに地域貢献も積極的に実施しており、ブランド名の元となった香川県丸亀市に対して、様々な支援を実施。

代表取締役社長の粟田氏は丸亀市の文化観光大使を勤めているほどです。

メッセージによる細やかな環境保全活動も!

ふく福【番外】

先日鹿児島を訪問した際に昼食で利用したふく福。

宮崎にないため頻繁に利用できませんが、SDGsに積極的に取り組まれていましたので、番外編として紹介させていただきます。

名物:黒豚うどんはここでしか食べられない逸品。

地産地消・安心安全の食材を使用

黒豚や鰹節といった地元食材だけでなく。水も鹿児島市吉田の「天然地下水」を利用するなど地産地消に強いこだわりをもっています。

地産地消は食物などを輸送する際に発生するCO2削減に貢献できる取り組みです。

かごしま地産地消推進店登録の証!

女性が活躍出来る職場作り

「女性活躍推進法」に基づき役職者に占める女性の割合を20%、時間外労働の対前年比10%削減など、目標を具体的な数値で管理。

1.男女問わず安心して働くことのできる職場環境・企業風土の構築
2.出産・育児・介護等しながらも誰もが働き続けられる環境整備(ワークライフバランス)
3.多様な価値観(ジェンダーレス)・各個性を尊重し従業員がいきいきと活躍できる組織作り

引用元:株式会社 寿福産業

上記取り組みを確実に推進させるという気概を感じます。

まとめ

今回6つの企業の取り組みを調べていく中で分かったことがあります。

どの飲食店チェーンも徹底して細かな取り組みを実践しているということ。

利用者が気付かないところで、様々な取り組みを推進されています。

当社でもサステナブルな商品開発だけではなく、地域行事への参画、音楽イベントへの協賛など、SDGsに関する取り組みを実践してきましたが、他にもやれることがあると気付かされる良い機会でした。

引き続き他社の取り組みを参考にさせていただき、コツコツとSDGs活動を推進していきます。

SDGsを取り入れることでどのようなメリット、デメリットがあるのか、少しでも興味があれば一度はご覧ください。